交野の山野草   no.46

自然

ホトトギス             天野が原 久保俊雄

 ホトトギスは日陰の林緑や湿った斜面、崖に自生する多年草です。山に自生するホトトギスの葉は、油が滲みたような班入り模様が見られますが、山草として栽培すると緑一色の葉になることが多いようです。花びらの斑点が鳥のホトトギスの胸の斑点模様に似ていることから名付けられたそうです。花や葉姿が野生味に溢れ、茶花をしても重宝される存在です。普通、動物に関係する植物名はカラスノエンドウ、オオイヌノフグリ、イヌタデ、スズメノテッポウなどのように「何々の~」と名付けられる場合が多い中、直接鳥の名前が植物名とされるのは、非常に珍しいそうです。

 庭先に植えられ、強光下でも元気に育っているホトトギスは、タイワンホトトギスという種類で、文字通り台湾産です。強健なため日本産の種類と交配され、多くの品種が作出されています。

 日本産と見分けるポイントは、日本産は、茎が枝分かれしないのと花の咲く位置が葉の付け根(脇芽)から花蕾ができ花を咲かせますが、タイワンホトトギスは、茎の先端が次々に枝分かれして、茎の先端に花蕾つけ多くの花を咲かせる大きな違いがあります。また、地下茎が発達してどんどん繁殖していく点でも簡単に見分けられます。

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