交野の山野草    no.49 

フユイチゴ 自然
フユイチゴ

フユイチゴ  天野が原 久保俊雄

山地の林内斜面に普通に見られるつる性の常緑低木で、キイチゴの仲間です。草姿は、つるはしなやかで地を這うようにしてのびていき、ところどころから根をだして繁殖していきます。茎や葉裏には茶色い毛がびっしり生えているが、他のキイチゴに見られるような刺はありません。葉はかたくて丈夫で、葉表はやや光沢があります。割と大きな群落をつくり自生していますが、夏の時期は目立たないので気づかれないと思います。

 キイチゴ類の多くは春から初夏に開花し、初夏から夏にイチゴが熟します。そのため野生種や栽培種(ラズベリー・ブラックベリーなど)の収穫時期が初夏から夏になります。このフユイチゴは唯一の変わりもので、花は9~10月頃、小さな白い花を数個集まって咲かせます。果実はいわゆるキイチゴで12月から1月にあざやかな赤色に熟します。冬枯れた景色の中では、容易に見つけることができます。甘酢っぽくて夏のキイチゴより美味しいともいわれますので、機会があれば味わってみて下さい。生食のほかジャムやケーキのトッピングにも利用されるようです。山草愛好家の間でも育てられているようですが、挿し木で簡単に増やすことができ栽培もさほど難しくないそうです。

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