交野の山野草  no.45

カラスウリ 自然

カラスウリ         天野が原  久保俊雄

カラスウリ

秋になると林緑や竹藪に5㎝ほどの長楕円形の朱色の実を吊っているつる草を目にされた方も多いかと思います。幼い頃、種の形がトンボの頭を正面から見た形に似ていることから、大黒様の顔や打ち出の小槌に似ているといって、お金が貯まると信じて財布に入れていた方もおられたのではないでしょうか。
カラスウリはウリ科の宿根性雌雄異株の植物です。今回はこのカラスウリの花にスポットを当てての話です。8月から9月にかけて花が見られます。初めて見かけられた方は、思わず綺麗と声を出されるほど驚かれます。夕方から咲き始め朝にはしぼみます。甘い匂いのする大きな白い花で、花びらの先端が糸状に分かれて広がっています。
夜に目立つ花を咲かせて、夜行性のスズメガ類の蛾に受粉してもらう関係が成り立っています。雄株の雄花はやや大きく立派ですが、雌株の雌花はやや小さく花びらの下にはウリになるふくらみがあるので容易に見分けられます。
交野にはカラスウリの仲間でこの他にカラスウリよりやや大きい黄色の実をつけるキノカラスウリ、一円硬貨位の白い球形の実をたくさんつけるスズメウリが自生しています。私部墓地の周辺では3種類ともよく見かけます。

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