ホウチャクソウ 天野が原 久保俊雄
日本全土に分布し、山地や丘陵地の雑木林など樹間が開けた湿り気がある場所に群生が見られます。背丈は40~50㎝位無毛で直立し、上部で分岐し瓦生の葉がつきます。葉は長卵形で短い葉柄があります。花は枝先に1~3個(2個の場合が多い)、下垂してつきます。花冠は筒状で、先端は広くなり淡緑色です。5月に私市浄水塔の谷に群生が見られます。
漢字で宝鐸草と書きますが、宝鐸とはお寺や塔の四隅につるす大型の風鈴のことで、銅鐸の美称のこと。花冠の形が宝鐸に似ていることが名の由来だそうです。実は丸く直径1㎝ほどで黒紫色に熟します。
山草愛好家で栽培されることも多く、水はけと保水性の良い用土に植えて半日陰になる置き場所があれば、元気に育つそうです。園芸店の山草コーナーでもよく見かけます。
春の山菜シーズンに芽生えたばかりの新芽を目当てに山菜とりに行く方がありますが、ホウチャクソウは全草が強いアルカロイド系の毒がありますので、注意が必要です。芽生えたところは角が突き出たような状態で、食用になるチゴユリやアマドコロなど同じような場所に生えていますので、よく事故が起こります。気をつけて下さい。ホウチャクソウは折り取ると嫌なくさい臭いがするのが見分けるポイントです。

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