ヨメナ 天野が原 久保俊雄
野菊と呼ばれる植物の一種で、ヨメナはその代表として知られる存在です。道端やあぜ道、土手などに自生しているごく普通の植物で、山間地でも見かけられ、やや湿ったところを好みます。
春の若芽を摘んで食する習慣は、古くは万葉の時代から利用されていたようで、オハギやウハギとよばれていたそうです。若芽はやや赤みをおびておりシュンギクのような味と香りがします。
秋に薄紫か白い菊の花を咲かせ「きれいな野菊うすむらさきよ」と歌にも歌われるほど、身近な存在です。多年生の草本で地下茎があり、長く横に走らせて先端から新芽を出して小さな群落をつくります。茎は草刈りがされなければ、一m近く伸び、その先端は枝分かれし、頭状花(いわゆる菊の花)をつけます。
野菊とは秋にさくよく似た姿のキク類の総称で他にもいくつかあり、一般にそれらをまとめて野菊と呼んでいるのが現状です。なかでもノコンギクは草姿・葉の形が非常によく似ています。簡単な花の区別は、ヨメナは個々の花の柄が長いのに対し、ノコンギクは花の柄が短く、「ヨメナのハナの下は長い」と記憶用に覚えておけば、忘れられないかと思います。



コメント