交野の山野草  no.43

ウラシマソウ 自然

ウラシマソウ            天野が原 久保俊雄

サトイモ科テンナンショウ属の宿根性多年草と言ってもわからない人が多いと思います。ミズバショウ、コンニャク、マムシクグサ、カラーなど多くの同じ仲間が存在します。種類により花の形が変化に富み山野草愛好家ではよく知られた存在です。

交野の山では、ウラシマソウ・マムシグサ・カラスビシャクの3種類のテンナンショウ属が自生しています。ウラシマソウの花?は、苞の中から花序の先が20~50cm位長く糸のように突出し先が垂れてあたかも浦島太郎が釣り糸を垂れている姿から浦島草と名付けられています。また、この仲間は性転換する植物としても有名です。花序のもとにつく雄花と雌花が集まってつきますが、地下の球根(塊茎)の栄養蓄積状態によって、その割合が異なります。球根が小さい時は雄花だけの花になります。雌花になり受粉して実をつけたものは、秋にトウモロコシを小さくしたような赤い実をつけ、よく目立ちます。

交野では非常に珍しい植物で自生地が限定されます。獅子窟寺下の王の墓が改修整地されるまでは、かなりの数の自生がありましたが、改修されてからは小さな株が散見されるほどになってしまいました。その北の谷にもわずかに見られますが、自然条件の繁殖力が弱く、多くの府県で絶滅危惧種に指定されています。

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