今、高市連立政権は、殺傷兵器の輸出禁止を柱とする防衛装備移転5類計の撤廃を受け、安全保障の連携強化を名目に武器輸出のトップセールスを矢継ぎ早に推し進め、軍需産業を経済成長戦略に位置づけ、国営の軍事工場の新設を打ち出しています。
10月5日、高市首相は所信演説の『力強い日本外交』と題する項で、日米同盟を我が国の外交・安全保障の基軸とし、その抑止力と対処力を一層強化し、同盟を更なる高みに引き上げるとし、中国に対しては、重要な隣国であり、戦略的互恵関係を包括的に推進すると謳いつつも、東シナ海・南シナ海での様々な問題、日本周辺における軍事活動等々について、我が国の立場について主張すべきことは主張し、責任ある行動を強く求めていくと、との外交方針を打ち出しています。
今、日本は二つの国と条約を締結しています。一つはアメリカで、日米安全保障条約という1960年に改定された軍事同盟条約です。私たちはそれを日米同盟と呼んでいます。その第5条は、日本国の施設の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手順に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言すると、共同防衛の義務を謳っています。
もう一つ中国で、1978年に締結された日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約です。第一条は、国連憲章の原則に基づき、全ての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを明記しています。日中間には、平和条約を含む四つの合意文章があります。1972年の日本国と中華人民共和国政府の共同声明、1998年の平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する日中共同宣言、2006年の戦略的互恵関係の包括的推進に関する日中共同声明です。
その中には、①双方は両国間に存在する、そして今後出現するかもしれない問題、意見の相違、争いを適切に処理し、もって両国の友好関係の発展が妨げられ、阻害されることを回避していく、②日本側は、日本が日中共同声明の中で表明した台湾問題に関する立場を引き続き遵守し、改めて中国は一つであるとの認識を表明する。日本は引き続き台湾と民間及び地域的な往来を維持する、との確認事項も含まれています。
政府は、現行の安保3文章で我が国周辺では、核・ミサイル戦力を含む軍備増強が急速に進展し力による一方的な現状変更の圧力が高まっている、との表現で中国を安全保障上の最大の脅威と位置け、直近の骨太方針でも、中国包囲網をめざす外交戦略に軸足を置いています。
今、日本政府に強く求められているのは、主権者である私たち国民の代表者として、憲法前文の「我等は、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する」との平和的生存権の理念と第9条の「国権の発動たる戦争と、武力に寄る威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」との戦争放棄・非戦規定に基づき全ての国々と分け隔てなく、柔軟で対等な平和条約を展開することです。また、中国に対しても4文章の確認事項の原点に立ち返り、過去の歴史と真摯に向き合い、政治的対話を再開し、経済活動・文化交流を含む多面的平和外交を積極的に推進することです。
「所信表明演説」と日中関係で投稿をしていただきました。

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