「スパイ防止法」のもたらすもの 交野革新懇緊急講演会
3月22日、交野ゆうゆうセンターにおいて、「スパイ防止法のもたらすもの」のテーマで緊急講演会を開催、講師の愛須勝也弁護士が詳しく分りやすく話をされました。

「スパイ防止法」制定を競いあう動きが活発ななか、「時宜にかなったとりくみ」と歓迎の声があがり、「ネットでみた」「『スパイ防止法』は横文字でわからない本質を知るため勉強したいから来た」など、このような集会に初めて来ていただいた方が10人ほど含めて、45人が参加されました。
スパイ防止法は過去に提出され、野党、法曹界、言論界、国民が猛烈に反対し、廃案に追い込まれています。今また「安保3文書」改定、軍事大国化のもとで「スパイ防止法」が画策されています。その内容、危険性をあきらかにして、どう向き合うかを愛須勝也弁護士に話をしていただきました。(要旨)
高市政権とスパイ防止法
スパイ防止法、正式には国家秘密に係るスパイ行為等防止に関する法律案(最高刑:死刑)は、ご存じない方が大半だと思いますが、知れば知るほど怖い法案です。現在の高市政権では、もっと怖い状況となっています。なぜかというと、現在、米、英、そして、中国においても法制化されたことが契機に、昨年5月27日に、日本にも外国政府勢力によるスパイ活動を規定し、監視し、必要があれば逮捕できる「スパイ防止法制定の検討を求める提言書」を当時、前経済安全保障担当相の高市氏が石破首相に提出し、スパイ対策は特定秘密保護法など複数の法律に分かれて規定されているとして、「包括的に整理されたスパイ防止法は必要だ」と強調。罰則についても「今ある法律は有期刑で、特定秘密の漏洩に対し10年以下の懲役(一般の公務員や事業者職員)、または5年以下の懲役(漏洩に関与した者)など、あまり強いものではない」と訴えた張本人であるからだ。
また、2月20日の高市首相の施政方針演説で、「項目6の情報力において、インテリジェンス(諜報)の司令塔機能を強化すべく、内閣総理大臣を議長とし、関係閣僚から構成される(米のCIA※、英のMI6のような)『国家情報会議』を内閣に設置する。また、内閣情報調査室を『国家情報局』に格上げをし、(外務省、防衛省、警察庁、公安調査庁などの)閣僚機関からの情報を集約し活用する。また、その分析結果を活かし、外国からの不当な干渉を防止するための制度設計を進めるなど、必要な対策を講じる。」と述べており、この演説では直接スパイ防止法は謳われてませんが、3月13日に国家情報会議設置法案が閣議決定され、このことは、情報力の強化=スパイ防止法の土台づくりが整ったことを意味するもののとなっている。
※CIAのような外国での諜報活動を日本国憲法下で認めることはできない。
憲法前文:国際協調主義「平和を愛する諸国民の公正と正義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した・・・いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してならないのであって・・・」
さらに、1940年の戦前に内閣情報部から内閣情報局に格上げした歴史があり、昨今のウクライナ、イスラエル、イランと戦争に続いての台湾有事が隣国との戦争準備の一環である可能性を秘めており、戦争を引き起こす正当材料としてスパイ防止法が必要と考えているのであろう。
統一教会と自民党
このスパイ防止法の原型は1958年に岸信介首相が、米のアイゼンハワー大統領、ダレス国務長官の意向により「防諜法」として立案。しかし、安保闘争で岸首相が辞任し、幻に。
その後、1968年に岸氏、統一教会が母体の「国際勝共連合」が設立し、1985年に国会に提出したが、報道の自由が奪われるなどを理由に廃案に。
しかし、2025年6月7日「国際勝共連合」が、政権に逆らう者、すなわち敵対する共産党、左派労組、社会運動を排除し、日本を守るためスパイ防止法を一刻も早く実現のシンポジウムを開催した。

取り巻く情勢、どう考え、どう向き合うか
スパイ防止法制定の目的が、外国から秘密情報を集めて戦争準備に必要な体制を整える必要があり、そのために、国内において、政権批判勢力を根こそぎ摘発していく。一億総監視社会へ移行し、一般市民を監視し、基本的人権や知る権利を侵害することにある。
先の衆院予算委員会での質疑で、辰巳議員が、防衛費増額を問題視し、高市早苗首相らをただした際、与党席から「共産党のスパイ」とのヤジが飛んだ。政権批判する者をスパイ扱いし、その体質を持った与党議員がいる(誰か特定できないが多分自民党の議員だろう)。
このスパイ防止法は、現与野党の動向も、今が、非常に危険な状況にある。まずは、参政党※も推進し、松下政経塾出身の立憲議員、日本維新の会、国民民主党らの後押しで、参議院においても過半数に達し、改憲も含めてこの法案が一気に可決する可能性がある。一度消えた法案が、再び法案化される危機にさらされている。この事態は、中世までさかのぼり、司法の崩壊につながる非常に危険な法案。我々弁護する側も、その行為が罰せられることになりかねない。
1985年に廃案 あの時のような取り組みを
問題は、まだまだ知られていないこと。「スパイ防止法」ではなく、「市民をスパイする監視・分断法」という本質を知らせ、反対の声を広げていこう。そして、今の若者にも伝えながら廃案にしていくことで参加者の意見が一致し、この講演会は締めくくられました。
※「政治家・官僚・メディアにいる極端な思想の人たちは、やめてもらわないといけない。これを洗い出すのが防止法です」参政党・神谷代表


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