交野の山野草      No.63

自然

 

アケビ         天野が原 久保俊雄

 10月中旬頃、くろんど池からキャンプ場を通り過ぎ、谷川沿いの帰り道で、アケビの実がなっているのを見つけました。蔓を手繰り寄せ、実をとってぶら下げながら帰る途中、麓で農作業しているお爺さんに「サルキンなっとたか?」と声をかけられ会釈して通り過ぎました。一瞬「えっ~」と思いましたが、よく考えてみると「なるほど」と納得しました。交野の方言で、アケビの実を子どもながら呼ぶ異称であることが後程解りました。

 アケビはつる性の落葉木本で茎はツルとなっています。交野の山では、アケビ、ミツバアケビ、両者の自然交雑種(ゴヨウアケビ)が自生しています。アケビは普通五枚の小葉が掌状につきますが、ミツバアケビは小葉が三枚でやや大きく縁にギザギザがあります。確実に見分けるには春の新芽と同時に(四月中旬頃)咲く雌花や雄花が濃い黒紫色であればミツバアケビで、淡紫色であればアケビです。交雑種は花の色に濃淡の幅があります。

 実が熟して開いた果肉はゼリー状でほんのり甘くくどくない上品な味と称され、多くの黒い種は噛むと苦味があるので吐き出されます。皮も珍味として調理されますが、そのままでは苦味が強いので加熱してから水にさらして、または酢水に浸けて苦味を抜いてから調理されるそうで、今でも東北地方の郷土料理として珍重されています。

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