交野の山野草      No.60

自然

ハリエンジュ         天野が原 久保俊雄

 正式な名称はハリエンジュ(針槐)ですが、何故かニセアカシアの名称の方がよく知られています。ハリエンジュは古くから珍重されるエンジュに似た葉をつけ、枝の付け根に針棘があることから名付けられています。5月から6月にかけ白色の藤の花を短くしたような甘い芳香のある花序を多数下垂させます。日本国中に野生化状態に生育しており、養蜂業者にとって蜜源植物として重要視されています。「そのため養蜂業者が蜜源確保のため、国中にタネを蒔いて回った」とまことしやかに囁かれた事があります。そんなことは不可能と思い、来歴を調べてみました。

 1873年に北アメリから導入され、砂防治山用の緑化樹として利用されたのが始まりです。

 マメ科植物の特徴でもある根粒菌との共生で痩せ地でも生育できることから、砂防・土止め用の植栽、街路樹、公園樹として全国に用いられてきた経緯があります。主に河川の堤防止め用として多く利用されたことが原因として河川流域で多く見られる特徴があります。北海道では炭鉱跡の空き地・耕作放棄地など管理放棄された土地が分布拡大要因になっています。ちなみに土産物の熊の彫り物はこの木の材が使用されています。日本のアカシアは全て黄色の花を咲かせ別物です。また、熱帯に生育するアカシアもマメ科植物ですが、この葉に似ていることから「偽の」という意味から名前がつけられたとされています。

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